流れが変わる・・・か・・・ 派遣から正社員へ

 昨年暮れ、トヨタ自動車が先陣を切る形で、自動車の製造に携わるたくさんの派遣社員を雇い止めにし、宿なし無一文で寒い暮れの空の下に沢山の人たちをほっぽりだし社会問題になったことは記憶に新しいですがが、ちょうどその頃と前後して、トヨタの社長が新しい人に変わっていました。
 新社長は豊田家の御曹司だとのことですが、大のクルマ好きで、レ―シングカーのライセンスも持っている方だとか。最初から周りにチヤホヤされ、ぬるま湯のエレベーター出世コースまっしぐら、というのではなく、若いころは現場で厳しく時には上司に叱られながら鍛えられたという話です。

 さて、そのトヨタ九州で、今度は1,000人もの規模で派遣社員を正社員・契約社員へと切り替えるという、言わば路線変更とも言えるニュースを拝見しました。
 派遣社員と正社員との違いは、言うに及ばず、雇用が安定するということと、賃金が派遣会社に中間搾取されないために比較的高いということです。平たく言えば、自動車すら買えないような、変えても中古車位しか買えないような賃金から、ローンを組んで新車を購入できるような安定した(それなりに)高い賃金に変わるということで、これはつまりは、トヨタの新車を買ってもらえる人を1,000人規模で増やすということでしょう。

 トヨタ自動車にたくさんの派遣社員を送るような派遣会社の社長や役員クラスがその収入で買う車と言えば、所詮ベンツ・BMW等の高級外車です。構造改革とやらの結果、「やっぱりクルマはベンツじゃなきゃ」的な成金が増えても、それはトヨタ以下、国産自動車産業の為にはこれっぽちもなりません。
 それならば、国産自動車の顧客を増やした方がよっぽど会社の利益の為になる。派遣導入による目先の人件費削減にとらわれず、トヨタの良い顧客となるような人々を守り育て、高収益体質の市場を足元に作っておく。という極々当たり前のことに気づくようなセンスを持った、今度のトヨタの社長さんは、そんな人なのではないかと期待させます。
by fly_bird_man | 2009-03-07 19:36