日々想々彼是落書致候


by fly_bird_man
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快晴 微風 - flight to the end - 

もうそろそろ 終わろうと思いながら
機体の調子と この先の距離とを 推し量りながら
雲の上 成層圏の中を フライトし続ける

  - 快晴 微風
  - 今ノトコロ 異常ナシ
 
燃料計に目をやれば 針はちょうど1/2を過ぎたところで
まだ暫くは飛び続られるだろう

眼下の雲の隙間から時々見えている
藍色は海 黄土色は大地

いずれ私はあの水面に不時着し
リヴァイアサンの手に絡まれて 深海に沈むのだろうか
大地に真っ逆さまに墜落し
一瞬間に灰と塵とになって 砂漠に消えてしまうのだろうか

日が沈むと輝き始める
上には天体群 下には都市
このまま燃え尽きたら 星になって光り続けるのだろうか
街の灯りは朧げで あそこに私の帰る場所はないのだろうか

そんなことが頭を過ぎる
どうしようもない程の青い空の中 黒い闇の中を
私は一機 真っ直ぐに飛び続ける

  快晴 微風
  100マイル前方 小サナ影ガ横切リ …

どこへ向かって飛んでいるのか
初めのうちは目的地はあったように思うのだが
延々と飛び続けて 日が経つうちに
それすら 考えることもなくなって
そのうち 思い出せなくなってしまったのか

引き返すには遅すぎて 終えるのには早すぎる
そんなところまで来てしまったか

 ― 影ハ 右後方へ消エ入ル …

ふと 瞼の裏にひとつの顔が浮かぶ
さて その顔、あなたは どこの誰だか
あなたは どうやら私のことを見知っているようで
私のことを じっと見つめてるようで
にっこりと 微笑んでいるようで
涙ながらに 睨みつけているようで
私を透かして 遠くを見つめているようで

やがて どこかで終わるだろう
そこが目的地で そこが私の墓
あなたは私を 終わりへと導く

あなたのことを思い出した
by fly_bird_man | 2008-04-01 20:58