日々想々彼是落書致候


by fly_bird_man
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穴から

私のここんところには いつもポッカリ大きな穴が 空いている
その穴は かつてそこにいた君が 飛び立って行ったときに空いた空洞だ

今日は その穴から青空が見えている
強い日差しが差し込んでいる 時折優しい風が通り過ぎてゆく
遠く空高く飛ぶ飛行機の音や
傍から子供達の楽しそうな笑い声が聞こえてくる

雨の日には穴から雨が飛び込んで ビショ濡れになるし
風の日には容赦なく 轟々と吹き込んでくる
雪の日には冷たい雪が 奥のほうまで入ってきて凍えそう

それでもずっと私はその穴を塞ごうとしなかった
箒を手に 穴の周りを綺麗に掃除をしては
いつも穴から見える空と雲とを眺め風に吹かれていた

そんなある日
連日の大雨が上がった朝 まだ乾かぬ穴の入り口に
手のひら大の小鳥が降り立ち 私にこうささやいた

― 閉じこもっていないで 穴から出て お飛びなさい

今日 私は穴から見える青空と
そこに浮かんでいる雲に向かって 翼を広げて羽ばたかせて見る
いくら見えない翼を羽ばたかせても 体は地面から浮かびはしないのだけど

― 構うことはない 会いたい人を 呼び続けなさい

穴から 私は君の名を呼ぶ
君の姿を求めて 「愛しています」と呼ぶ
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by fly_bird_man | 2007-08-13 21:05