日々想々彼是落書致候


by fly_bird_man
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自分の中の子ども へ

 美しい人に恋をし、その人に僕の不誠実を指摘されたとき
 僕が最初に聞いた自らの声は、「自分やその美しい人を含めた、自分と繋がっている全ての人を嫌いだ」という言葉だった。なんとも子どもっぽい。怒りともつかぬ。絶望ともつかぬ、悲しみともつかぬ。僕はその声が自分自身の声であることに、驚き、ためらいながらも、自分自身の姿をまるで頭の奥底の二重にも三重にもして、誰にも悟られぬように、自分でも気付かぬように忘れてしまった振りをしていまいたいような、そんなところから取り出してきて、目の前で広げてマジマジと見た気がした。

 「心のなかの子ども」



 彼(自己)はそんな者かもしれない。彼は恐らく10代半ばの少年だろうか。もっと小さな幼児だろうか。そんな彼は確かにここにいる。『美しい人』に気付かされるまで、ほったらかしにしていて、見ない振りをしていた彼。でも彼は結局、自分自身だから、いつだって、僕の中にいたんだろう。彼(自己)の手を引いて、彼(自己)と向き合って生きて行こう。
 彼(自己)が、今はもう傍にいない「美しい人」を、それでもなお想い続けている限り、「飽きるまでそうしていなよ。無理に嫌いになったり忘れたりすることなんか、する必要もないさ」と僕は言う。多少世間とはズレていても、「お前はいくらあがいたってお前でしかなくて、そこから歩き出す以外に先へ進む手立てはないだろう」と言う。「お前はしたたか転ぶだろう。痛みと引き換えに、そこから何かを学べばいいだろう。お前の痛みとともに、お前が人に与えた痛みを知るだろう。」と言う。「もしも成功したら褒めてやろう。でも、たいがい失敗するだろうから慰めてやろう。お前の嘆きも痛みも欲望も怒りも不安も、喜びも希望も全部、俺なんだから。俺が全部受け容れてやるから。」と、彼(自己)に言う。
 そして、「その先へ行ってみるか?」と問うてみよう。

 
アダルト・チルドレンと家族
 ~心のなかの子どもを癒す~   斎藤 学 著

by fly_bird_man | 2005-11-14 09:46 | raku gaki